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対中露二正面作戦に備えよ
―― 新しい世界戦争の本質

トーマス・G・マンケン 戦略予算評価センター会長

Could America Win a New World War?: What It Would Take to Defeat Both China and Russia

Thomas G. Manken アメリカの国防シンクタンク、戦略予算評価センターの会長兼CEO。ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究所の上級研究教授。2006年から2009年まで、国防副次官補(政策立案担当)を務めた。

2022年12月号掲載論文

アメリカが東欧と太平洋で二つの戦争に直面すれば、米軍は長期的なコミットメントを強いられる。北京の影響圏が広がっているだけに、対中戦争の舞台が台湾と西太平洋に限定されることはなく、それは、インド洋から米本土までの複数の地域に広がっていくだろう。そのような戦闘で勝利を収めるには、アメリカの国防産業基盤を直ちに拡大・深化させなければならない。部隊をどのように動かすかなど、新しい統合作戦概念も必要になる。(第二次世界大戦期同様に)多数の戦域における戦争という戦略環境のなかで、アメリカの軍事的焦点を、どのタイミングでどこに向かわせるかも考えなければならない。そして、世界レベルでの軍事紛争を勝利に導くには、アメリカにとってその存在が不可欠な同盟諸国との調整と計画をもっと洗練していく必要がある。

  • 二つの戦争に備えよ
  • 「民主主義の兵器庫」の再構築を
  • 戦力・戦略構造の見直し
  • アジア第1戦略
  • 歴史の教訓

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